このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
本ページで紹介している製品はすべて研究用です。診断目的で使用することは出来ません。
フローサイトメトリー解析において蛍光色素の利用は欠かせませんが、特にマルチカラー解析では次のような光学特性をもつ蛍光色素が求められます。
明るい色素を用いることで、存在数の少ない細胞や、発現量の少ないマーカーを識別することが容易になります。励起スペクトルが狭いことは異なるレーザーによる励起を抑制することとなり、また、蛍光スペクトルが狭いことで、異なる検出器への漏れこみを抑制することができます。 ストークスシフトとは励起波長と蛍光波長の差のことを言います。ストークスシフトが大きい蛍光色素を用いることで、一つのレーザー光源によって励起される蛍光色素の数を増やすことができ、多チャンネルのマルチカラー解析を容易にすることができます。
抗体標識に用いられる蛍光色素にはいくつかに分類することができます。
従来型のタンデム蛍光色素とは、二つの異なる蛍光色素を共有結合したものです。第一の色素(ドナー分子)を励起すると、そのエネルギーが第二の色素(アクセプター分子)に伝達されます。二番目の色素が活性化されると蛍光を生じます。このプロセスは、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET; Förster resonance energy transfer)と呼ばれます。これにより、タンデム色素の分光特性は、ドナー蛍光色素の励起特性とアクセプター分子の発光特性を併せ持っています。
共通のドナー分子に対して、異なるアクセプター分子を結合することにより、大きなストークスシフトを実現し、単一のレーザーで分析できる蛍光の数を増やすことができます。他の蛍光物質とも組み合わせることにより、マルチカラーパネルに用いられます。
例えば、Alexa Fluor 488、Phycoerythrin (PE)、PE-Texas Red、Peridinin Chlorophyll Protein (PerCP)-Cy5.5、は、いずれも488 nmで励起され、それぞれ緑、黄、赤、遠赤色光の蛍光を発しますが、これらは別々の検出器で測定することができます。
タンデム色素については,以下のガイドラインに従う必要があります。
StarBright Dyesは、フローサイトメトリー用に開発された独自の蛍光ナノ粒子です。
色素同士の結合ではなく、重合反応で生成されたナノ粒子であり、安定した励起・発光特性を得ることができます。モノマーの種類と重合プロセスを変更することで、異なる蛍光を発する粒子を作ることができます。すでに488nmと405 nmのレーザーに対応した8種類の色素をリリースしており、今後さらに多くの色素を予定しています。様々なマルチカラーフローサイトメトリーパネルに柔軟に対応することができます。
下図は、488 nmレーザーによる励起による、StarBright Violetシリーズの蛍光特性を示しています。
リンク先の蛍光スペクトルビューアーで、お使いのフローサイトメーターにおける、蛍光特性を見比べてみてください。
StarBright Dyes for Flow Cytometry |
StarBright Dyes - フローサイトメトリー用蛍光色素-(日本語PDF) |
日本語での情報 |
Antibodies Conjugated to Fluorophores |
フローサイトメトリーにはどの蛍光色素が適しているのか?:蛍光色素の例 |
蛍光: ストークスシフトの解説など |
フローサイトメトリーでの使用実績があるバイオ・ラッドの抗体のStarBright標識製品(日本語サイト) |
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