このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。
本ページで紹介している製品はすべて研究用です。診断目的で使用することは出来ません。
フローサイトメトリーで用いる抗体の濃度は、最適化する必要があります。濃度が濃すぎるとバックグラウンドの蛍光シグナルが高くなるなど、実験に支障が出る可能性があります。
抗体製品のデータシートに記載されている推奨希釈倍率は参考にはなりますが、実際に測定する細胞や計画している実験に最適ではない可能性もあります。従って、望ましい実験結果を得るために、抗体濃度の最適化は不可欠なステップです。
抗体濃度を最適化する際には、抗体の反応時間、細胞の種類、その他の実験条件を固定した上で行います。
上記のうち、抗体の反応時間以外は、最終的に行いたい実験と一致させることが望ましいです。細胞の生死を判定する試薬を用いた死細胞除去や、ダブレット除去も適切に行う必要があります。そして、最適な抗体濃度は「Stain Index」を指標にして決定します。
Stain Indexを算出するには、下図のようにターゲット分子を発現していない細胞集団(Negative Population)と、発現している細胞集団(Positive Population)が必要です。
それぞれの集団の平均蛍光強度(MFI)の差を、Negative Populationの標準偏差(Standard Deviation: SD)の2倍で割った値が、Stain Indexです。
抗体を様々な希釈倍率で細胞と反応させてフローサイトメーターで測定し、それぞれの測定データからStain Indexを求めます。
Stain Indexが最も高くなる希釈倍率(下図の例では1/5)を、最適と判断します。
下図Aのようにヒトの血球細胞のうち単核球にGateをかけ、B~Dのプロットに展開しました。
B: アイソタイプコントロール抗体で染色し、非特異的なシグナルが十分に低いことを確認。 C: 抗体濃度の最適化前のデータ。 D: 抗体濃度の最適化後のデータ。 Cに比べ、Dの方がより多くの細胞集団を分離できていることが分かります。
詳しい情報は下記リンク先をご参照ください。
Antibody Titration in Flow Cytometry |
フローサイトメトリーBasicガイドより:
抗体価の測定 (Antibody titration) |
バイオ・ラッドの抗体検索サイト(日本語)価格やキャンペーンはこちらから確認ください。 |
バイオ・ラッドの抗体検索サイト(英語)製品の詳しい情報はこちらでご確認ください。 |
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