このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

ウェスタンブロッティングでは、化学発光法による検出が古くから行われていますが、近年では蛍光標識された抗体を用いる蛍光ウェスタンブロッティングの利用が広がっています。蛍光ウェスタンブロッティングには以下のメリットがあります。

  1. 化学発光法に比べてダイナミックレンジが広い。
  2. マルチプレックス(同時に多項目を検出)化が容易になる。

ウェスタンブロッティングの定量性を向上させるためには、検出のノーマライゼーションが重要です。ノーマライゼーションは、総タンパク質量を用いる方法と、Housekeeping protein (HKP) の発現量を用いる方法に大別されますが、いずれの場合もウェスタンブロッティングのマルチプレックス化が重要な要素となります。

今回ご紹介する記事では、バイオ・ラッドが新たに発売した蛍光色素 StarBright™ Blue 700について解説しています。 StarBright™ Blue 700 では下図のように、Light-absorbing monomer が470 nm の光を吸収し、そのエネルギーを Energy transfer monomer が非常に高い効率で Light-emitting monomer に伝え、最終的に 700 nm の蛍光を発します。 結果として非常に強い蛍光を発し、また励起/蛍光波長の差が大きいため検出時のバックグラウンドを低減できます。 StarBright™ Blue 700 のこのような特性は、蛍光ウェスタンブロッティングの高感度化、マルチプレックス化に貢献します。

今回の記事で同時に紹介されている抗HKP hFAB™ Rhodamine標識抗体は、バイオ・ラッド独自のHuCAL技術で開発された、アクチンなどのHKPを検出する、特異性の高いモノクローナル抗体です。 hFAB™抗体には、下図のようFc領域がないため、他の項目の検出に用いる二次抗体との相互作用がほとんどありません。 また、hFAB™に直接 Rhodamine が結合しており、二次抗体が不要です。

下図は、青色が StarBright™ Blue 700 で標識した二次抗体、緑色が DyLight 800 で標識した二次抗体、赤色が 抗GAPDH hFAB™ Rhodamine標識抗体で、それぞれのターゲットを検出した、マルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティングの例です。 蛍光ウェスタンブロッティングでは、このようなマルチプレックス検出を、煩わしいストリッピングやリプロービングなしで行うことができます。

なお、今回の記事で紹介されているバイオ・ラッドの新しいイメージング装置、ChemiDoc™ Touch MP は、その高い撮影性能と優れた操作性により、マルチプレックス蛍光ウェスタンブロッティングをより身近なものにします。

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