このコーナーでは、定期的にバイオ・ラッドの新製品や技術情報のトピックをご紹介します。

免疫沈降(IP,Immunoprecipitation)実験では、アガロースビーズや磁気ビーズに抗体を結合させ、サンプルに含まれる目的の抗原タンパク質やその複合体を捕捉して回収します。 免疫沈降により回収したサンプルをウェスタンブロッティングで検出する時は、検出が難しい場合もあり、実験手順の中に考慮する点が多くあります。

このガイドは、免疫沈降からウェスタンブロッティングによる検出までの実験計画に役立つ、一連の手順の中での注意点を記しています。

トピック
  1. Immunoprecipitation用抗体の選択
  2. 抗体との親和性の確認(プロテインA/Gの選択)
  3. 適切なコントロールの使用
  4. サンプルの溶解バッファーの選択
  5. サンプルの濃縮
  6. 抗体量の最適化
  7. 効率の良い洗浄
  8. 最適な溶出方法の選択
  9. 溶出サンプルの変性
  10. ウェスタンブロッティングの実施

例えば、Immunoprecipitation用抗体の選択にあたっては、免疫沈降に対応した抗体を用いる必要があります。 免疫沈降では未変性のタンパク質と抗原抗体反応を行いますが、変性タンパク質は認識できても、未変性タンパク質には立体構造などが影響して反応しない抗体もあります。 そのため、未変性タンパク質との反応性が分からない抗体については、あらかじめ下図のような予備実験を行って、免疫沈降で使用できるか確認しておく必要があります。

GAPDH IPサンプルのウェスタンブロッティング検出

Jurkat細胞溶解物に対して、ヒト抗GAPDH抗体(カタログ番号HCA272)10 ug/ml(Lane 3)および1 ug/ml(Lane 4)を用いて免疫沈降(IP)を実施した。
Lane2: ヒト抗HSPA4抗体 (カタログ番号HCA273)、ネガティブコントロールとして Lane5: Jurkat細胞溶解物 (WCL:Whole Cell Lysate)、ポジティブコントロールとして

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